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2012-08-09 13:30

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42度のお風呂に入れば、紫外線によるシワが防げる!?慶応大などが研究発表

シワ
マウスを使用した共同研究で発見
慶應義塾大学が7日、同大学の水島徹教授らが熊本大学、名古屋大学、再春館製薬所との共同研究により、マウスの皮膚をお湯につけることでシワが防げることを発見したと発表した。また、この結果の解析により、熱によって体内で増える熱ショックタンパク質70(HSP70)が重要な役割を果たしていることも分かったという。

今回の研究結果内容は、皮膚科学分野で高い権威のある米科学雑誌「Journal of Investigative Dermatology」に掲載されるほか、9月19日からイタリアで開催される予定となっている、欧州研究皮膚科学会でも発表されるそうだ。

人でもシワを効果的に防げるかも!
シワ・シミといえば女性にとって大きな悩みの種。とくに年齢とともに気になるシワは、最大の原因が蓄積された紫外線の影響にあり、浴びた紫外線がコラーゲンの質を劣化させ、生産量の減少、コラーゲンを分解する酵素の増加を生じさせるため、シワができると考えられている。

一方、熱ショックタンパク質は、細胞が熱などのストレスを受けると、細胞内に作られるタンパク質で、熱だけでなく紫外線などを含むさまざまなストレスによって増えるという。このタンパク質が増えると、細胞はストレスに強くなる。

そこで、研究グループでは、この熱ショックタンパク質(HSP)のうち、とくに細胞を保護する作用が強いHSP70に注目し、紫外線による皮膚の障害をおさえたり、シミを抑制したりすることを発見してきたという。

そして、今回さらに研究を進めたところ、シワとの関連性も明らかになったというのだ。まず、マウスの皮膚を42度のお湯に5分間つけるとHSP70などのHSPが増加した。そのあとに紫外線を当てるという処理を10週間継続し、シワの形成を調査したという。

すると、37度のお湯に5分間つけたグループのマウスには、はっきりとしたシワができたものの、42度のお湯につけたグループではシワがほとんどできなかったというのだ。またHSP70を常に生産している遺伝子改変のマウスでも同じ結果が確認されたという。

メカニズムを検討したところ、HSP70がコラーゲンを分解するタンパク質を減らすことが確認されたそうだ。さらに他のHSPにはコラーゲンの生成を助けたり、質を高めたりするたんぱく質もある。こうしたHSPの働きが温熱によって生まれ、シミ・シワを抑制できることが期待できるようだ。

42度といえば熱めのお風呂。紫外線を浴びる前に熱めのお風呂に入っておくと、人間でもシミやシワの発生を抑えられるかもしれない。今後の応用研究や商品開発も期待されるところだ。

外部リンク

慶應義塾大学 プレスリリース
http://www.keio.ac.jp/ja/press_release/2012/
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