2013-01-10 12:00

食・ヘルス(健康)

チョコレートに健康的効果はあるのか?【カナダ】

チョコレート
治療にも使われたチョコレート 現代では人を太らせるだけ?
トロントのニュースサイト thestar.com には、チョコレートの効能についての記事が掲載された。


街では早くもバレンタインデーの広告を見かける。誰に渡すこともなく、自分のためについ買ってみたくなるおいしそうなチョコレートが並ぶのが待ち通しい。

数百年前のヨーロッパ貴族の間では、「神の食べ物」としてチョコレートを心臓病などの治療に使っていた。さまざまな味覚を楽しむことができる現代でも、その満足感は何にも代え難い。

一方で「人を太らせる以外に役目は無い」などという悪意ある言葉もあり、チョコレートを健康食品と決定づけるにはまだ証拠不十分かもしれない。しかし、その真実は?

効能は原料のカカオに 製品化によって消える栄養価
チョコレートの原料であるカカオの特性は主に2つある。

エネルギーの源となる:カカオには突発的なエネルギーを与える力がある。脳内麻薬とも呼ばれるエンドルフィンの分泌を促し、快の感情を引き起こすドーパミンや体内機能をコントロールするセロトニンを増やす。

血液の流れを整える:カカオに含まれる2種類のフラボノイド(エピカテキンとカテキン)は血管に作用し、血流の改善や高血圧やに効果があると言われている。

以上は、あくまでも原料カカオの効能である。砂糖や脂質、防腐剤や香料などの添加物をたっぷりと使ったチョコレート製品についてはこれらの効能は完全に覆い隠されてしまう。「人を太らせる以外に役目は無い」と言われる所以だ。

また、カカオは非常にデリケートな性質を持っているため、製品化されるまでの無数の要因によって有効成分が失われることも多い。ホワイトチョコレートに至ってはカカオの特性はまったく含まれていない。実際に健康効果が認められるほどの成分を含むチョコレートを見つけるのは難しいのだ。

加えて、フラボノイドは製品への表示が義務づけられていないので、消費者は効能を持つチョコレートかどうか見分けることができない。最近ではパッケージやウェブサイトでアピールしているものも増えてきている。

栄養士の Schauna Lindzon は、

ささやかな健康的効果を得るためにはカカオ70%以上のダークチョコレートを1日、1、2片食べることだ。


と締めくくっている。


外部リンク

thestar.com
http://www.thestar.com/
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