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vol.10 ノエルの輝き~クリスマスについて~


11月も半ばを過ぎるころになると、パリの街中はクリスマス一色に染まります。パリのお花屋さんが一年で一番忙しいシーズン、それがクリスマスです。カフェも、レストランも、色とりどりのブティックも、みなクリスマスのデコレーションで飾られていきます。


クリスマスツリーはもちろん、イルミネーション、クリスマスリースなど、見ているだけでわくわくしてしまうような、ほかの季節とは違った楽しみ方ができるのがクリスマスなのです。ちなみにフランス語ではクリスマスのことをノエルといいます。クリスマスケーキにブッシュ・ド・ノエルというのがあるのをご存知の方も多いかと思いますが、その、ノエルです。


パリのクリスマスといえば、有名なのはシャンゼリゼ通りのイルミネーション。毎年テーマに沿った明かりのアートが灯されます。近年は世界的なエコの観点から、LEDライトが利用されるようになったようです。近年では、ドイツやスイス、フランス各地で行われるクリスマスマーケットを模して、シャンゼリゼでも露店が出てクリスマスマーケットが行われています。それから、私が個人的にいつも気になっているのが、有名デパート、プランタンとギャラリー・ラファイエットのウィンドウです。毎年、クリスマスの時期にはどちらのデパートでも大掛かりなウィンドウディスプレイがなされます。やはりテーマが設けられていて、毎年全く違うディスプレイになり、道行く人が立ち止ってながめたり、写真を撮ったりして楽しんでいます。



日本ではみなさまご存じのとおり、ハロウィンが終わると途端にクリスマスムードが高まってきますよね。東京では11月1日に、いっせいにクリスマスデコレーションが始まるという印象です。パリと比べても、だいぶ早いうちからクリスマスを楽しもうという雰囲気が漂います。ところでこのクリスマス、いったいどのようにして祝われるようになったのでしょうか。クリスマスの歴史をひも解いてみることにいたしましょう。


クリスマスである12月25日は、キリスト教でイエス・キリストの生誕祭であるといわれます。キリスト教の教会では、前日クリスマスイブの夜に、大規模のミサが行われます。この生誕祭は4世紀ごろから行われるようになったそうですが、正確には12月25日がキリストの誕生日というわけではないそうです。しかしクリスマスは英語で書くとChristmassとなりChirist(キリスト)+mass(ミサ)となります。つまり、キリストのためのミサ、ということで、もともとはキリスト教を人々に広めるために行われるようになったのだということです。


欧米では一般的に、クリスマスは家族の日として知られています。ツリーを飾ってプレゼントを贈りあい、家族とともにごちそうを食べて祝う、家族のきずなを深める日なのです。ですから、25日のクリスマス当日はほとんどのお店がお休みになります。ご旅行で欧米に行かれる際には注意してくださいね。


そしてツリーを飾る風習は、もともとは北欧に住んでいた古代ゲルマン民族が冬至のお祭りに飾っていたモミの木だといわれています。モミの木は北欧の厳しい冬でも枯れずに緑色を保っているので、命の象徴とされました。この、祭りの際にモミの木をかざる風習がドイツに伝わり、キリスト文化と混ざって、次第にクリスマスツリーが飾られるようになったのだそうです。


日本では、明治時代になってからほかの欧米文化とともにクリスマスが受け入れられるようになりました。昭和に入るとかなり定着し、子供のための行事として意識されるようになり、皆様もご存じのとおり、現在では宗教と関係なく、季節のイベントとして広い世代の人たちに楽しまれています。


さて、クリスマスの色といえば、赤と緑が定番ですよね。これには意味があるのです。緑はキリストによって人類にあたえられている永遠の命を、赤は神の愛を示していると考えられているのだそうです。ただ、近年のクリスマスカラーは赤と緑だけにとどまらず、さまざまなバリエーションがあります。金銀や白、ピンクや青などもLEDライトの開発によってイルミネーションに取り入れられるようになってきました。ただし、モミの木を連想させる緑色は必要です。緑が引き立つような色でしたら、自由に合わせて自分なりのクリスマスカラーを見つけてみてもいいかもしれませんね。


今年のクリスマス、皆様のご予定はいかがでしょうか?各地で楽しむことができるイルミネーションなど楽しみつつ、ご自分でもツリーを飾ってみたり、リースを作ってみたりして、手作りのクリスマスをご家族やお友達と楽しんでみてはいかがでしょうか?




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