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vol.68 世界遺産 国立西洋美術館
スイス人建築家ル・コルビュジェの作品の一つとして、
昨年世界遺産に登録された「国立西洋美術館」

ル・コルビュジェが設計した建物を見たいと思い、出かけてみることに。

企画展は「アンチンポルド展」
花や果物、野菜などのモティーフを用いて、人間の顔を描いている絵画といえば、
思い出す方もきっと多いのでは。
16世紀に活躍したイタリア人の画家です。
発想のおもしろさ、デザインの奇抜さから、
私はてっきり、もっと現代に近い時代の画家かと思いこんでいました。
ましてや、宮廷画家だったとか。
昔の宮廷や貴族たちは、何と粋なセンスの持ち主だったのでしょうか。
この奇妙な自然のものをモティーフとした絵画は、
その後に登場する静物画の元となったとか。
私にとっては、アンチンボルドは現代的な感覚、静物画は古いイメージという印象があったので、実際の年代がその逆だったなんて、とても驚かされました。
残念ながら、企画展は写真撮影が禁止。
お伝えできないのが残念です。
実物より大きく引き伸ばされた作品展示もあり、
花、魚などのモティーフの描写を大きく間近で見ることができ、
ひとつひとつのモティーフがあまりに精巧で驚かされます。
アンチンボルド展を楽しんだ後は、
いよいよル・コルビュジェが設計した本館の常設展に足を向けます。

入口を入ると大きな吹き抜けになり、ロダンの彫刻が迎えてくれます。
「松方コレクション」とよばれる美術品の数々が展示されています。

コルビュジェは太陽の光から美術品を守りながら、かつ
自然光の中で美術品を鑑賞できるように心がけて設計したそうです。
この常設展の「松方コレクション」は戦前の実業家松方幸次郎が収集したものです。
美術館の常設展というと、企画展のおまけのようなイメージですが、
たいへん見応えがありました。さすが、国立。
それもそのはず、思わぬ歴史が隠されていました。
この「松方コレクション」は第二次世界大戦で敵国資産としてフランスに接収され、のちにサンフランシスコ平和条約で寄贈返還された308点の美術品です。
そしてうれしいことに、常設展は写真撮影OKでした。

クロード・モネ 「睡蓮」です。

近づいてみると、幾重にも色が重ねられた睡蓮の花と水面がとても美しい!

ピエール・オーギュスト・ルノワール 「ばら」

豪華なブーケのようです。

フィンセント・ファン・ゴッホ 「ばら」

ゴッホがサン=レミ療養院の庭のバラを描いた作品。
ルノアールと同じバラをモティーフとしていますが、
ルノアールは大輪のバラ。
庭で咲いたバラをアトリエにいけたのでしょうか?
静かな室内の雰囲気がします。
ゴッホのバラは庭の風景。
植物の生命の力を感じました。

クロード・モネ 「しゃくやくの花園」

芍薬と言えば、日本のイメージがしますが、
日本贔屓だったモネ、
ジヴェルニーの庭にはこのように芍薬がたわわに咲いていたのでしょう。
花をモティーフにした絵をほんの一部紹介しましたが、
量といい、質といい、
ほんとうにすばらしいコレクションでした。

美術館前の庭もお忘れなく。
ロダンの有名な「考える人」、
そして、「カレーの市民」、「地獄の門」も見逃せません!
ここは無料なので、上野公園にいらしたときは、ぜひ立ち寄ってくださいね。
ここ国立西洋美術館を訪れる際は、美術館の歴史をちょっと頭にいれておくと、
もっと楽しめると思います。
国立西洋美術館
http://www.nmwa.go.jp/jp/index.html
ウィキペディア 国立西洋美術館
https://ja.wikipedia.org/wiki/国立西洋美術館
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