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vol.76 無農薬のバラに会いたくて。



バラのジャムが美味しい、横田園芸さんに行ってきました!
前回紹介したバラのジャムを生産販売している平塚の横田園芸さんへバラ仲間といっしょにお訪ねしました。
ここ平塚はバラの産地として有名だったところ。
しかし今は後継者不足などの理由で、バラ生産をやめてしまう農家さんも多いとか。
横田さんも数年前まではバラの切り花を世田谷市場に出荷していました。
現在はすべて無農薬栽培に切り替え、市場に出荷するのではなく、
直接レストランやパティスリーに卸しているそうです。



写真のようなハウス3棟を使って、無農薬でバラや野菜を生産しています。



ハウス内では、バラとピーマンが交互に植えられています。
バラとピーマンを混植することで、病害虫に弱いバラを守っているそうです。



これはバラの大敵ハダニを食べてくれるダニが入っていた袋。
このダニは生物農薬または天敵農薬と言われるもの。
ハウス栽培の無農薬農法などに用いられ、
化学農薬を使わずに害虫を除去できます。
バラの天敵であるハダニを餌とする同じダニがいるなんて、驚きでした!
バラの無農薬栽培はとても難しい。
横田さんは、以前、観賞用の切り花のバラ栽培をやっていた経験と、
野菜などの無農薬栽培法などを研究して、無農薬バラ栽培をなさっているそうです。

寒い時期とあって、咲いているバラは少なかったのですが、
いくつかご紹介します。



フェアビアンカ
前回ご紹介した香りに美肌効果のあるバラ。



ブルーリバー
紫の色がとても美しいバラです。



花菜ローズ。
カナローズと呼びます。
その名も神奈川県のバラです。



グリーンローズ。
中国原産の原種のバラです。
花弁を食べると胡椒の味がします。



イブピアジェ、イブピアッチェとも。
あの高級宝飾ブランドの「PIAGET 」の4代目会長の名前からつけられたそうです。
バラの名前は人の名前から付けられることが多く、
育種家の家族の名前だったり、有名な人の名前だったりします。
日本の皇族や外国の王室の方がゆかりの名のバラも多く存在します。



バラのほかにも黒いピーマンなど珍しい野菜が。



こちらは手のひらより長いピーマン。
取引先のシェフたちの意見などを聞いて、
栽培品種を決めているそうです。



こちらのハウスはレタス類とバラが植えられています。
害虫の少ない冬の間はレタス類を出荷します。



雑草にまぎれて、というより雑草そのもののカタバミ。
三つ葉のクローバ形の葉が愛らしい。
食べると酸っぱい味がします。
このカタバミもレストランへ。
酸っぱい味とかわいい葉が好評のようです。
バラの花びらやめずらしい野菜を試食しながら、
横田さんの説明を伺うと目からウロコのことばかり。
バラの美しい花弁を口にいれるなんて、何とも不思議な感じ。
種類によって口に広がる香りが違います。
香水を食べてしまったような感じかと思えば、
いいえ、もっともっと繊細な体験です。
もちろん花弁や葉自体が美味しいのですが、
それが直接強く押し出されるのではなく、
ピリリと効果的に口の中に広がってきます。
それは横田さんのバラや野菜は味が濃いから。
香辛料のように少量でも印象的な味覚をもたらします。
前回のレモングラスとバラジャムのハーブティーも、
ティーカップに4,5枚浮んだ花びらで、
やさしくそして十分にバラの香りが楽しめました。

冬の間はバラのジャムの出荷はお休み。
ハウスの中のバラが一斉に咲く光景を想像すると、
春が待ち愛しくなってしまいます。


横田園芸
http://www9.plala.or.jp/yokota1/





・森 美保【オフィシャルサイト】

http://www.arrierecourune.com/




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