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vol.86 田バラ苑、今年も開苑しました!





川崎市の生田にある生田バラ苑。
1年のうち春と秋のバラの季節にだけオープンします。
今年の春は5月10日から28日まで。
苑内にバラが咲き乱れます。



昔から国内外で、自生していたバラの原種や、
何代にも交配して生み出された現代バラなど、
多くの種類のバラを見ることができます。

日本のバラの歴史を辿っていくと奈良時代まで遡ります。
万葉集に“うばら”という名前で登場している植物が野生のバラと言われています。

日本古来より自生しているバラの原種のひとつがノイバラです。



生田バラ苑のシンボルローズ、ノイバラです。
来園者のみなさんはこのノイバラの樹の下で、暑さをしのいでいます。

バラと言えばヨーロッパのものというイメージがあります。
事実、19世紀のヨーロッパでは様々なバラの交配によって多くの新品種が誕生しています。
そして、この頃のイギリスでは、すでにガーデニングブームでした。
19世紀と日本言えば、江戸から明治へと大きく時代が動いた頃です。
幕末に日本が開港すると、多くの欧米人がやってきましたが、
その中に“プランツハンター”と言われる新品種の植物をハントする人たちがいました。
その一人がイギリス人のロバート・フォーチュンです。



彼は幕末に日本に半年ほど滞在し、多くの日本の植物を収集してイギリスに送りました。
この本はその時の日本滞在記で、江戸時代末期の江戸庶民の様子が書かれた貴重な一冊。
これによると、すでに江戸の染井には大きな植木屋が並ぶ通りがあったようです。
染井は、現在の駒込あたり。ソメイヨシノの誕生の地として有名ですね。

日本が誇るバラの原種のひとつノイバラもこのロバート・フォーチュンが
ヨーロッパにもたらしたという説もあります。
ロバート・フォーチュンは中国にも長く滞在して、バラをはじめとする多くの植物をイギリスに運んでいます。
中国のバラもバラの歴史の中で、大きな役割をしています。
中国の四季咲き性のバラがヨーロッパに導入され、多くの四季咲きのバラが誕生しました。
以外にも、東洋のバラがバラの発展に大きく貢献しています。

生田バラ苑では、開苑中毎日ボランティアによる苑内のバラの説明が行われます。
バラの長い歴史を実際に咲くバラを見ながら知ることができます。
また、日本バラ会のせんせいによるバラの育て方教室も開かれます。
生田バラ苑は入場料が無料。
自然豊かな森に囲まれたバラ園です。
ぜひ、お出かけください。

生田バラ苑
http://www.ikuta-rose.jp/





・森 美保【オフィシャルサイト】

http://www.arrierecourune.com/




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