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vol.19 春を祝う、イースターのお祭り


ここ数年、日本でも春になると「イースター」という言葉が色々な場所で聞かれるようになってきました。日本語では「復活祭」とも呼ばれますが、キリスト教のお祭りですので、あまり馴染みがないという方も多いかもしれません。そこで今回は、イースターについてお話ししたいと思います。



イースターが復活祭とも呼ばれるのは、イエス・キリストの伝説がもとになっています。キリストは十字架にかけられ処刑されてしまいますが、3日後に復活し、生き返るという奇跡を起こしました。それを祝うためのお祭りがイースターというわけです。キリスト教においては、実はクリスマスよりも重要視されているお祭りです。



「イースター」は英語ですが、これは、ゲルマン神話の春の女神、エオストレの名前に由来しているということで、そこからイースターは春が来たことを祝うお祭りでもあるのだといわれます。他のヨーロッパ諸言語でイースターを表す語はみな、ユダヤ教の「過越(すぎこし)の祭り」を表す「ペサハ」というヘブライ語に由来しており、フランス語では「パック」、イタリア語では「パスカ」といわれます。そこから、イースターはユダヤ教の「過越の祭り」から生まれた祭りであるとも言われています。



イースターは日にちが変動する祝日で、「春分の日のあとの、最初の満月の日の、次の日曜日」とされています。その年によって、3月22日~4月25日の間を変動するのです。日曜日がイースター当日で、その前の木曜の夜から、金曜、土曜、日曜とミサが続きます。クリスマスのミサよりも長く続くということからも、イースターがキリスト教にとって大事なお祭りだということがお分かりいただけるのではないでしょうか。



ヨーロッパなどキリスト教が重要視されている国に行くと、イースター近辺は祝日ですので、前の金曜日や、その次の日の月曜日がお休みになったりします。そういう日にはお店などもみな閉まってしまうので、旅行などに行かれる際にはご注意くださいね。



イースターのシンボルといえば、たまごです。イースターエッグと呼ばれますが、これは、ヒナが卵から出て生まれてくることと、イエスが墓から出て復活したことに結びつけたものであるといわれています。また、春になって植物に再び生命が甦る喜びを表したものともいわれます。たまごの殻を鮮やかに塗ったり、美しく包装したりして飾ったゆでたまごが、装飾として使われたり、実際に食べて楽しみます。



さらに、イースターエッグを使った遊びもあって、家の中や庭などにたまごを隠して子供たちに探させるエッグハントや、丘の上などから卵を割れないように転がすエッグロールなどが有名です。ちなみにエッグロールは毎年ホワイトハウスでも開催されているそうです。



もう一つのイースターのシンボルとして、うさぎが挙げられます。これは、うさぎが多産なので生命の象徴であること、またぴょんぴょんと跳ねる姿が春の喜びや躍動感を表しているのだと言われますが、英語圏やドイツなどでは、イースターエッグはイースターバニーが運んでくるという言い伝えがあります。一方フランスやイタリアでは、イースターエッグは教会の鐘によって運ばれてくるのだと言われているそうです。



イースターのデコレーションというと、このようなたまごやうさぎをかたどったオーナメントやぬいぐるみ、チョコレートなどが多く使われます。イースターのシンボルカラーは白・緑・紫で、さらに黄色や、春らしいパステルカラーが好まれます。この色には意味があり、白は純潔を、緑や黄色は新しい生命を、紫は忠実・豊かさを表しているのだそうです。また国や地域によっては、キリストの流した血の色から、赤をイースターのシンボルカラーにしているところもあるようです。



お花を飾るときには、これらの色を基調に、春らしい花を選ぶとよいでしょう。チューリップやミモザ、スイートピー、ラナンキュラスなどがおすすめです。ヨーロッパでは水仙もイースターに好まれるので、(ただし日本水仙ではなくラッパ水仙のような黄色い水仙が多いです)水仙を生けてもいいかもしれません。



ここでイースターの名がついた花をご紹介しましょう。イースターリリーという花があるのを、皆様はご存知でしょうか?イースターの頃に咲く百合ということでこの名がつきましたが、実はこれは日本由来の花なのです。沖縄に自生していたテッポウユリの球根が幕末にヨーロッパに持ち込まれたのですが、これがイースターを象徴する花として大流行し、一気に有名になったのだとか。今でも、イースターのときには教会などにテッポウユリを飾ることが多いそうです。



春らしさを楽しむイースター。ぜひ皆さまもお花やデコレーションで、お友達やご家族と楽しんでみてはいかがでしょうか。




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