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vol.27 花のケア、どうすればいい?


昔から「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、この言葉、若い方でも一度くらい耳にしたことありますよね?季節を表した故事ですが、不思議にこの季節になると暑さも和らぎます。
秋の彼岸を迎えると人もホッとしますが、花の日持ちもぐっと良くなります。
暑い中お花がかわいそうでとても飾れないという人も、やっと花を楽しめる季節になりました。
そこで今回お話するのは花のケアについて。
ちょっとしたケアで、花持ちがずっと違ってきます。
9月の声を聞くと、日本の秋の風景をつくる秋の花々が花屋さんに並びはじめます。
また、彼岸花、きりん草、ススキなど秋の花は意外に道端でもみかけます。
今年は花のケアを知って、秋草を楽しみましょう。

お花って、ほんとうに人間とよく似ています。
暑ければへたれるし、ご機嫌の時は輝くような笑顔を見せてくれます。
花屋さんから買ってきたばかりのお花はちょっとお疲れです。
特に手で持って長い時間持ち歩いていると体温で茎が温まってしまいます。



まずは、お花の余分な葉を取り除きます。
元気のない葉や色が変わってしまった葉も同様に取ってしまいましょう。
茎から吸収した水分が十分に花に届かず、途中の葉に吸収されないために、
すっきりと葉を整理します。



次に茎の先を切り、切り口を新しくしてあげます。
花は茎の切り口から導管を通って水を吸い上げます。
古くなった切り口の導管には空気が入り込み、水の吸い上げを悪くしています。



そしてしばらく深めの花瓶にいれて花を休ませます。
30分から1時間くらいこのままに。
花はゆっくりと休んで、水を十分に吸い上げていきます。



好みの花瓶を選んで、いけ直します。
生き生き気持ちよさそうにしています。



フラワーフードと呼ばれる切り花のための栄養剤が発売されています。
お花に必要な栄養分と花瓶の水の殺菌剤がバランスよく含まれています。
バラ専用や切り花全般など、用途に合わせた商品が揃っているようです。
花は開花時にとても力を使いますので、その瞬間に十分な栄養が蓄えられてないと
蕾が開かなかったり、きれいな花形に咲かなかったりしてしまいます。
その栄養分を補給するのがフラワーフードです。
また水の中のバクテリアの発生を抑制し、花を長持させる効果があります。
使用時はきちんと使用説明書通りの希釈でお使いになることをお勧めします。
フラワーフードを使用すると花瓶の水かえの頻度を減らすことはできますが、
やはりこまめに水かえをして、その都度フラワーフードを入れてあげるのが
一番花を長持ちさせるコツですね。




元気のない花や首が垂れてしまった花をみつけたら、それだけ取り出します。
そして、写真のように花瓶の水の中で茎を切ってやり、水から茎を出さずにそのまま花瓶に入れてしばらく放置しておきます。
元気が回復したら、またいけ直してあげましょう。
水かえをした時や花が終わって花瓶を片付けるとき、器は食器洗いの中性洗剤を使って丁寧に洗いましょう。
花瓶の内側についたバクテリアをしっかりと落としておくことが大切です。

お庭の花や道端の花、家でいけるとすぐにダメになったことはありませんか?
もちろん、花屋さんの花のように家に飾るように強く栽培されているわけではありません。
でも、自然のたおやかな姿や繊細な美しさに心ひかれます。



水の入ったバケツを用意して、枝や茎を切ったらすぐに水につけてあげます。
茎に切り口がなるべく空気にさらされないように気を配りましょう。
こうして持ち帰れば、もちろん種類にもよりますが、
水落ちしてしまう自然の中で育った花でも部屋の中で楽しむことができます。

秋の花はコスモス、リンドウなど季節感のあるものが多く、
実もの紅葉などさらに花を引き立ててくれる素材も豊富。
秋の花を愛でると、四季のある国に生まれてほんとうによかったって、心から感謝したくなりますね。




・森 美保【オフィシャルサイト】

http://www.arrierecourune.com/




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