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皆様、こんにちは

近年、秋が深まってくる頃になると、ハロウィンが楽しまれるようになってきました。日本でもだいぶ浸透してきたという印象がありますが、カボチャや、仮装をしたり、ということは知っていても、ハロウィン自体がどういうものなのかはあまりよく知られていないのではないかと思います。そこで今回は、ヨーロッパに起源を持つお祭り、ハロウィンについて紐解いてみることにしましょう。

ハロウィンというと、ハリウッド映画などの影響からかアメリカから伝わってきたものというイメージがある方も多いのではないかと思いますが、もともとはヨーロッパから起こったものなのです。ケルト人のお祭りがルーツになっており、それが後に起こったカトリック文化に取り入れられたと考えられています。

ケルト文化では、11月1日を新年の始まりとしていました。つまりその前日である10月31日は日本でいうところの大晦日にあたります。その日に神様に感謝する収穫感謝祭が行われていました。

現在ではハロウィンはキリスト教で11月1日に行われる万聖祭の前夜祭として行われています。万聖祭はAll Hallow'sと言われますが、その前日（Eve）ということでAll Hallow's Eveというのが短縮されて、現在の Halloweenと呼ばれるようになったのだそうです。

さてケルト文化では、10月31日、新年の前の日にはこの世とあの世の間の門が開き、恐ろしい魔女や精霊たち、死者の霊などが地上にやってくると考えられていました。その悪霊たちから身を守るために、と始まったのが仮装だったのです。

そしてもうひとつ、悪霊たちを追い払うために家庭ごとで用意するのがジャック・オー・ランタンです。かぼちゃをくりぬいて、中にろうそくを点しますが、悪霊たちを怖がらせるために恐ろしい顔を刻むわけです。このランタンは、玄関の外に飾られます。ジャック・オー・ランタンといえばカボチャというイメージが定着しているかと思いますが、もともとは、カブで作られていたのだとか。ハロウィンの風習がアメリカに伝わった際に、カブよりくりぬきやすく、色も鮮やかなカボチャに変えられたのだと言われています。

このジャック・オー・ランタンという名ですが、「けちなジャック」という伝承に由来してその名がつきました。これは、怠け者のジャックと言う男が、悪魔をだました結果、天国にも地獄にも行くことができなくなり、しなびたカブで作ったランタンを持ってあの世とこの世の間をさまようようになった、という鬼火伝説のひとつともなっている物語です。
ハロウィンと言えば、子供たちが「Trick or Treat!!（お菓子をくれないといたずらするぞ！）」と言いながら家々をまわる習慣も有名です。これは、もともとヨーロッパのSoulingと呼ばれる物乞いに似た風習に由来していると言われます。

このように、ハロウィンにまつわる一つ一つの風習に由来があるのですが、カボチャのランタンのように、ヨーロッパからアメリカにハロウィンがもたらされてからというもの、ハロウィンは独自に大きく発展していきます。すでにキリスト教のイベントという特色は薄れ、大衆文化の一つと考えられていると言ってもよいかと思います。日本におけるハロウィンは、この宗教色の薄れたアメリカの風習が伝わってきたものと考えられますが、アメリカや日本でお祭りされているほど、本場であるはずのヨーロッパでは盛大には祝われていないと言うのが現状です。私がパリに滞在していたときも、あまりフランスではハロウィンのデコレーションは見かけませんでした。

とはいえ、せっかくですからハロウィンを楽しみたいですよね。そこで、ハロウィンを盛り上げる飾りつけについてお話しましょう。やはりカボチャはハロウィンのシンボルですから、カボチャを花瓶のとなりに置いてみるだけでも、ちょっとハロウィンらしい雰囲気が出るのではないかと思います。最近、ランタンに使われるようなオレンジ色のカボチャが、お花屋さんでも大小さまざまなサイズで販売されるようになってきました。小さなものはかえってランタンは作るのは難しいですから、オブジェのように飾るだけでもよいかもしれません。おもちゃかぼちゃのようなユニークな形のかぼちゃを使ってみてもいいかもしれませんね。

お花を使って演出するなら、秋らしくオレンジや濃い黄色、ワインレッドなどの色を中心に選ぶとまとまりがよいのではないかと思います。これを使わなければいけないという決まりはありませんから、色合いを優先させて選ぶことをおススメします。以前ご紹介した、ダリアやチョコレートコスモスなども効果的に利用できると思いますよ。
お友達を招いて、カボチャのデコレーションとカボチャのお料理、仮装も楽しんでホームパーティー、なんていかがでしょう？皆様どうぞ、楽しいハロウィンをお過ごしくださいね！

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