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vol.33 もうすぐ、クリスマス!


12月に入って暖かい日が多いせいか、あまり師走を感じませんが、今年も早あと半月です。
そして、もうすぐクリスマス!
クリスマスの植物と言えば、ポインセチアかもみの木ですね。
お部屋にもう飾りましたか?



ヨーロッパで、この時期ツリーとともによく街で見かけるのが“ヤドリギ”です。
フランスでは古くからの言い伝えで、ヤドリギの木の下でキスをすると幸せになると言われているそうですよ!
ヤドリギは宿り木と書きます。
字のごとく、他の樹木の枝に寄生します。
寄生木の根は寄生した枝の奥へ奥へと根を伸ばしていきます。
一生をずっと木の枝の上で過ごし、土の上には下りることがない植物なんて、
とても不思議ですね。



これは、1894年のイギリスの新聞の記事ですが、
大きな木の枝についた丸くモヤモヤしたしたのが、ヤドリギです。
古代ケルト神話では聖なる木とされ、魔よけとも考えられていたようです。
また、ヤドリギの葉を煎じたお茶は心臓にも良いとか。



昔は12月ともなれば、こんなおじさんが街の中をヤドリギを担いで、
売り歩いてたんですね。
今はツリーやイルミネーションを見かけるとクリスマスが近づいてきたことを感じますが、
その頃はヤドリギ売りのおじさんがクリスマスの到来を告げていたのかもしれません。
これは、イギリスの新聞と言いましたが、フランスのクリスマスの様子を紹介した記事で、
確かに、この時期パリの朝市などではヤドリギが売られているのをよく目にします。
古くフランスにはヤドリギにまつわる話として、こんな物語があるそうです。
キリスト教が広まる前の時代、聖なる木ヤドリギの下で出会った者は、
かならず抱擁し、敵同士ならば、戦いをやめて仲直りをしなければいけない。
この物語が時を越え、クリスマスの時期にこの木の下でキスをした2人は幸せになれるという素敵な言い伝えに変わったようです。
今、フランスをはじめ、世界では宗教に纏わるテロが起きています。
クリスマスはキリスト教の行事ですが、
キリスト教が広まるずっと昔の伝説のように、
大きなヤドリギが地球を覆いつくして、宗教の壁を越え、世界中で平和なクリスマスを過ごせるといいですね。



ヤドリギの葉は小さなプロペラのような形をして、その間に透明感のあるかわいい実をつけます。
葉や実がとても愛らしいので、ヨーロッパでは食器やアクセサリーなどのモチーフによく使われています。
私はヤドリギを無造作に束ね、白い毛糸を結んでみました。
今までどのくらいの人がヤドリギの下でキスをして、幸せになったのかしら?
みなさんも古の人に負けないくらい素敵なクリスマスを迎えてくださいね!
Joyeux Noël!




・森 美保【オフィシャルサイト】

http://www.arrierecourune.com/




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