vol.49 秋は美術館へ


秋は美術館へ



毎年秋になると、途端に魅力的な展覧会が多くなりますね。
そういえば芸術の秋なんて言葉がありました。
展覧会は1、2時間のちょっと空いた間に訪ねることができ、
映画より気軽に楽しめて、私にとって読書の次に身近な楽しみです。
見たい企画をあらかじめインプットしておくことが肝心。
この秋、ぜひ訪ねてみたいと思っていた展覧会のひとつが、
パナソニック汐留ミュージアムで11月23日まで開催されている
“モードとインテリアの20世紀展”
日本を代表するファッションデザイナーである森英恵さんを生んだ鳥取県にある石見美術館のコレクションを紹介しています。
20世紀のファッションとインテリアの流行の移り変わりを、
時代的に並行軸でとらえて展示していくという、今までにない企画です。



インテリアの変革はイラストでの紹介が主で、モードに興味ない方には物足らない展示といえますが、20世紀の初頭から今日に至るドレスの数々はすばらしく、
目の保養になりました!

さて二十世紀初頭、フランスでは建築様式としてアール・ヌーヴォーが流行。
ファッション界では、重厚で繊細な刺繍などがほどこされた手の凝ったドレスに大きな帽子とう組み合わせが好まれ、まだまだトラディショナルな感じがします。
やがてアール・デコの流行ともに、ドレスも変化していきます。
アール・デコファッションと言えば思い浮かぶ、ニット帽のような小さな帽子やヘアバンド。
今までの伝統的なスタイルから新しいモードへと、時代の息吹を感じさせます。



1920年代になるとさらに発展していきます。
もう、現代のコレクションを見ているよう。
毛皮でトリミングされた豪華なコート。
今着るには、毛皮が豪華すぎるかしら。



白と黒のコントラストが印象的なドレス。
後ろ姿が美しい!



スカートの丈も短くなってきて、現代のファッションのようです!
90年前のドレスだなんて、ちょっと信じられない。



花柄が美しいイブニングパンプス。



フランスのモード誌 “フェミナ”
この頃からすでに女性は雑誌を見て、流行を探っていたんですね。
やがて、第二次世界大戦が勃発し、
パリのオートクチュール・メゾンは休業や閉鎖に追い込まれます。
一方、今までパリの影響を強く受けていたアメリカのファッションが独自のスタイルを持ち、活気づいてきます。
インテリアでも、イームズに代表されるミッドセンチュリーモダンがアメリカから発信されます。
戦後のファッションの世界は、ヨーロッパの伝統とアメリカのモダンが融合し、現代のデザインへと導かれてゆきます。

モードが時代の流れと大きく関係して次々に流行を生み出していく。それに連動するようにインテリアも変化してきたことをわかりやすく説明されています。
やはり、素敵なドレスを引き立たせるような背景が必要不可欠ですね。
今までファッションにもインテリアにも、それぞれに興味を持っていたけれど、
モードはモード、そして建築インテリアは家具や照明などの器具まで広げて考えるのが精いっぱいで、双方が微妙に関連しているなんて、考えてもみない私でした。
展示品はそう多くはありませんが、構成の着眼点のおもしろさを十分味わえました。
また、小さな美術館パナソニック汐留ミュージアムのいいところは、展示、ミュージアムショップ、1階のパナソニックショウルーム、3か所同時にモードとインテリアのテーマで楽しんでいただけることです。



ミュージアムショップでは、
私のブランドであるアリエールクール・ユンヌと
アートフラワーの作家である神坂 麻衣子さんとコラボさせていただいたアクセサリーを販売しています。







こちらのコーナーにもぜひお立ち寄りください。
生花のようなシルクの花で、普段使いできる花のアクセサリーです。



また1階のショールームでは、版画家の杉山啓子さんのファブリックも展示。
写真のポストカードがもらえます。

汐留のパナソニックミュージアムは汐留、新橋駅からもすぐ。
ふっと空いてしまった時間に、時代をさかのぼるモードの時間旅行を楽しむのはいかがですか?
優雅な時を過ごせること間違いなしです!


パナソニック汐留ミュージアム
http://panasonic.co.jp/es/museum/





・森 美保【オフィシャルサイト】

http://www.arrierecourune.com/




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