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vol.55 フランスの門松はヤドリギ?




この年末年始はパリで年越し。
滞在中に知り合いのフローリストさんを訪ねた時のこと、
美人花壇Vol.33で、フランスではクリスマスにヤドリギを飾るというお話をしましたが、
むしろ、フランスではお正月用に飾る人が多いということをうかがいました。
帰国後、ヤドリギについて調べてみると、確かにフランス版門松なんていう説明も発見。
ヤドリギは漢字で宿り木、名前のごとく、他の木の枝で成長する寄生樹木。
日本ではあまりいいイメージがありませんでした。
しかし近年になって、ヤドリギは地球上の生態系の要を担っていることがわかってきたらしいです。
汚名返上ですね。
ヤドリギは寄生すると言っても、寄生した樹木を枯らしてしまうことはないようです。
写真でもわかりますが、ヤドリギは白い(日本ではオレンジのものもあります)実をつけます。
この実が鳥の餌となり、こんもり丸く茎をのばす樹形が鳥の巣となります。
巣に餌がついているわけだから、これは便利ですね。
実の中の種はドロっとした液に包まれています。
この粘々が寄生する枝に種を固定し易くしたりして、
種を広げることに多いに役立っているそうです。 
花屋をしている頃はヤドリギの実が床に落ちて、よく滑りそうになりましたが、
この粘々がこんな大切な役割を担っていたとは。
パリを訪れるたびにかならず足をのばすのが朝市。



ありました、ありました、ヤドリギ。
10本の束になって売られていました。
1束7ユーロ。
日本に比べて安い!
日本では気軽に買い求められるお値段ではないので、
私もホテルの部屋に飾りたくなってしまいました。
セロハンに包まれているので、実付きがいいのかどうかわからず、ここはパス。
こんなところについ花屋根性が出てしまいます。
帰り途、ホテルの近くの通りでも朝市がたっていたので、ぶらぶらすることに。



朝市の端でおばさんがヤドリギを売っていました。
何と3ユーロ!うれしいな。
ヤドリギ売りのおばさんは毎年ここで、この季節、ヤドリギを売っているそうです。
うーん、味のあるおばさんです。



早速ホテルに帰ってヤドリギを飾りましょう。
白い実とプロペラのような葉が何とも愛らしい!
部屋の中には吊るせるところが見当たらないので、
活けて飾ることに。



ミネラルウォーターのペットボトルを切って、
お菓子を買った時包んでくれた包装紙でくるみました。
やっぱり、ちょっとお花があると落ち着くな。
どこから見ても、ヤドリギ、かわいい!
そういえば、私、今年厄年、よかった、ヤドリギ飾って。

ヤドリギのお蔭で厄除けできて、2017年がいい一年になりますように!
Bonne Année!





・森 美保【オフィシャルサイト】

http://www.arrierecourune.com/




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