第12回食後酒について

先回の食前酒に引き続き、今回は食後酒についてお話しましょう。フランス語でディジェスティフ、イタリア語ではディジェスティーヴォといい、食事のあとの口なおしとして、また会話の余韻を楽しむときに飲みます。食前酒としては向かないアルコール度の高いお酒が食後には主役になってきます。先回の食前酒に引き続き、今回は食後酒についてお話しましょう。フランス語でディジェスティフ、イタリア語ではディジェスティーヴォといい、食事のあとの口なおしとして、また会話の余韻を楽しむときに飲みます。食前酒としては向かないアルコール度の高いお酒が食後には主役になってきます。一般に強いお酒や甘みのあるものは消化を助けるといわれていて、ブランデー、コニャックやアルマニャック、マール、グラッパ、カルウ゛ァドスなどがその代表、。蒸留酒ではアルコールが高すぎるという方は、ポートワインやソーテルヌ(貴腐ワイン)、アイスワインなど甘みの強いワインが落ち着くでしょう。いずれも小さめのグラスでゆったりと楽しむことが必要です。帰りの時間を急ぐあまり慌てて飲むのでは格好が悪く、ディジェスティフとしての意味がありませんし、また強いお酒を急激にお腹にいれれば悪酔いをひきおこすことさえあります。せっかく余韻を楽しむためのディジェスティフですから素敵な時間を過ごしましょう!



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=食後酒の種類=


a. 蒸留酒
本来はブドウをワインにした後、さらに蒸留したものをブランデーと呼びます。コニャックやアルマニャクなど、生産地の名前が付けられており、高級なものになるとウ゛ィンテージの古いものもあります。アルコール度は40-42度あり、芳醇な香りと樽熟されたまろやかな味わいがあります。


b.果実を使った蒸留酒
リンゴからできるカルヴァドス、サクランボからできるキルシュ、西洋梨ではポワールウイリアムなどがそうです。またワインを醸造したあとのブドウの絞りかすを蒸留したものをオー・ド・ヴィ・ド・マールといい、ブランデーより上品な味わいです。


c.食後のカクテル
ブランデーやウィスキーをベースにしたもの、ウォッカベース、ジンやリキュールを使ったものなどが挙げられます。ここで代表的なカクテルを紹介しましょう。



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サイドカー…パリのハリーズバーのオーナーが考案したカクテル。
ブランデー1/2 ホワイトキュラソー1/4 レモンジュース1/4
シェーカーに氷と材料を入れシェークする


スティンガー…スティンガーとは「針」その名のとおり味に鋭さがある。
ブランデー3/4 ホワイトペパーミント1/4 をシェークする


ラスティネイル…ウィスキーカクテルでもっとも歴史が古いカクテル。ドランブイはゲール語で「心を満たすもの」の意。
ハイランド・モルト40ml ドランブイ20ml
グラスの中でステアする


ゴット・ファーザー…アーモンド風味の芳わしさと甘さを持つアマレットとウイスキーの濃厚なカクテル。
ウイスキー3/4 アマレット1/4
ロックグラスに氷と材料を入れステアする


バラライカ…レシピのウオッカをブランデーに変えればサイドカーになる。レモンの香りがひときわ際立つカクテル。
ウオッカ1/2 ホワイトキュラソー1/4 レモンジュース1/4
シェーカーに氷と材料を入れシェークする。



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ここでちょっとしたマナーを…。お酒を楽しむためには、やはり場所とお相手が最大の決め手。気の合う仲間とお気に入りの雰囲気で楽しい時間を過ごしたいものです。お酒がまわるとほとんどの人が、気分がゆるやかになり饒舌になるのですから、おしゃべりを楽しむのはおおいに結構ですが、悪口や陰口など気分を悪くさせる会話は避けるほうが賢明です。また酔った勢いでお店への無理な注文や横暴な言葉遣いはもってのほか…。スマートにお酒を楽しむ姿は周囲の人に印象深く映ることでしょう。





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