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第4回ブドウ品種について

ワインにはさまざまな性格があります。ワインの味を想像するとき、最大の決め手となるのは品種による味わいの違いです。もちろん同じ品種であっても産地の土壌や醸造方法、造り手によって味わいに差がでるものですが。基本的な味のスタイルは共通しています。
世界にはワイン醸造用として800種ほどのブドウ品種があり、その土地でしか造られていない独自の品種もありますが、ここでは私たちがよく目にすることのできるワインの代表的な五つのブドウ品種を挙げてみます。

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シャルドネ CHARDONNAY
白ワイン用のブドウの中で世界的に栽培されているポピュラーな品種。薄い藁色で、熟成するにしたがって濃い黄色、または金色に近くなっていく。フランス、ブルゴーニュ地方産がもっとも有名。本来はフレッシュな酸と西洋ナシ、白桃、リンゴを思わせるフルーティーな香りが特徴だが、樽の熟成によってはボリューム感のあるリッチな味わいになる。

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ソーヴィニヨン・ブラン SAUVIGNON BLANC
草原の香りやハーブ(香草)の香りなどと表現されるが、時には雄猫のおしっこと表現される場合も。樽を使わずすっきりとした味わいに仕立てる場合と、樽熟成させて濃厚な味わいにする場合とに分かれる。フランスではロワール地方とボルドー地方産が有名。イタリアでは北から南まで各地で造られていてその土地の特徴が反映されたワインになっている。一方カリフォルニアでは別名「フュメ・ブラン」と呼ばれ、その名のとおりスモークしたような香りが特徴。



カベルネ・ソーヴィニヨン CABERNET SAUVIGNON
ボルドー地方で造られるシャトーものが多く、メルロー種やカベルネ・フラン種などとブレンドされて使われる品種。カリフォルニアでは85%以上使われていなければカベルネ・ソーヴィニヨンとは表記できないが単一で造られるものも多い。紫がかったルビー色で、熟成するにしたがってレンガ色に変化する。カシスやラズベリーの香りに代表され、樽熟成されたものにはウ゛ァニラの香りがつく。タンニン(渋み成分)が豊富でしっかりとしたフルボディタイプ。長期熟成にもっとも向くタイプで味わいの寿命は30年~40年というものも・・・。熟成によってしだいにエレガントな味わいに変化するところが魅力!

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メルロー MERLOT
カベルネ・ソーヴィニヨン同様ボルドーワインとして有名。比較的、早期に熟成し、ふくよかな魅力を持つ品種。単一品種として使用される場合と他品種とブレンドされて使用される場合がある。カベルネ系とほとんど同じ色をもち、ブラックチェリーやスパイスの香りが代表的。香り、味わい共にカベルネ・ソーヴィニヨンよりやや柔軟でまろやかだとされ、丸みや柔らかさを出すために、他品種とブレンドされる。

ピノ・ノワール PINOT NOIR
ブルゴーニュ地方産銘醸ワインに代表される品種で、ほとんどが単一(100%)で使用される。カリフォルニアや中部イタリアなどでも高品質なピノ・ノワールが生産されている。繊細な酸とタンニンで構成され造り手の手腕が反映されるのが特徴。透明感のあるルビー色でチェリー、プラム、ベリー(赤い実の果実)の香りがある。熟成がうまくすすむと艶のあるレンガ色に変化し、なめし皮やトリュフの香りとともに、官能的な魅力が開く。




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