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第5回シャンパーニュとスパークリングワイン

シャンパンは、日本でもそして海外でも、お祝いの席やロマンティックなディナーに用意される飲み物でスパークリングワインと呼ばれる発泡性ワインのひとつです。最近では、食前に一杯のグラスシャンパンを飲めるように用意しているレストランも多くみかけ、日常的に楽しめますね。
まずここで名前を整理しましょう。シャンパン(正式にはシャンパーニュ)という呼び名はフランス、パリの北東100kmほどのシャンパーニュ地方から来ていますシャンパーニュと呼ぶことができるのはこの地で造られるスパークリングワインだけ。たとえフランス産であっても、シャンパーニュ地方産でなければシャンパーニュと呼ぶことは認められず、ヴァン・ムスー、とかクレマンという呼称があります。他の国でもスパークリングワインは造られており、その呼称をアメリカではスパークリングワイン、イタリアではスプマンテ、スペインではカヴァ、ドイツではゼクトと呼ばれています。


ではシャンパーニュの泡はどのように造られるのでしょうか。ワインを造るときに、発酵の過程で泡が生じますが普通のワインが造られるときには泡は空中に発散されほとんど残らないものです。シャンパーニュの場合は、ボトルの中で第二次発酵をさせ、そのまま栓をして瓶内に泡を残すために泡が閉じ込められるのです。この方法をシャンパーニュ製法(メトード・シャンプノワ)といいます。一方、安いスパークリングワインは大抵、大きなステンレスタンクの中で第二次発酵させそのまま圧力を加えながら瓶詰めする方法で製造されます。手間が省け一度に大量のスパークリングを造ることができ、この方法はシャルマー方式と呼ばれます。



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<シャンパーニュの種類>
スパークリングの中には糖度によって分けられた種類があります。これによって味のタイプを知ることができ、必ずエティケットに記載されています。

BRUT ブリュット
もっとも辛口で、キャビアやスモークサーモンなど塩辛いもの、脂肪分の多い食品に合わせます。

SEC セック
やや甘口。ケーキやフルーツなど甘いものに合わせるとよく合います。

DEMI SEC ドゥミ・セック
甘口。イギリス、エリザベス女王の母上クイーンマザーはこのタイプのシャンパーニュをティー・パーティーのためにコレクションしたと言われています。

BLANC de BLANC ブラン・ド・ブラン
白ブドウのシャルドネだけで造られたもの。(通常のシャンパーニュは白ブドウのシャルドネ、黒ブドウのピノ・ノワール、ピノ・ムニエの3種類のブドウを使う)ブラン・ド・ブランは、とても繊細な味わいを持った辛口なのでデリケートな料理に合わせます。

BRUT NOIR ブリュット・ノワール
黒ブドウのピノ・ノワールだけで造られる辛口。葡萄の皮との接触により、やや軽めのピンク色で、果実味とコクがあります。肉料理などにも向きます。

BRUT ROS? ブリュット・ロゼ
ロゼ(ピンク)色をした辛口のスパークリングワイン。値段はやや高いのですが、より華やかな晩餐に選ばれるワインです。

<料理との相性>
スパークリングは繊細で際立った酸味があり、この特徴はあらゆる料理に向いています。発泡した味わいは、非常に爽やかで、飲むことにより口の中を常にフレッシュに保つことができるため、一般的にはワインに合わないとされている魚卵系のキャビア、イクラ、ウニなどともよく合います。またスパイスをふんだんに使った中国料理やエスニック料理などにも向いています。





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