第9回コルクを抜く

ワインボトルを開けようとしたとき、コルクがうまく抜けずに困った経験はありませんか? コルクが途中で折れてしまったり、ワインの中にコルク破片が落ちてしまったり、また差し込んだスクリューがそのまま抜けなくなったり・・・。コルクを抜くにはまず、カプセルの上部を切り取るか、すべてを剥ぎ取って外します。どの部分でカプセルを切り取るかよく問題になりますが、私は瓶口の段差のある下のほうの溝に合わせてナイフを回します。この方が、ナイフがすべって怪我をするということもありませんし、カプセルがワインの液体に触れる確率が少なくなります。オールド・ヴィィンテージのワインを開けるときは、デカンタするときに澱が瓶口まで来るのが見えた方がよいのでカプセルをすべてはがしてしまいますが、それ以外、たいていは帯のようにつけておいた方が見た目もきれいです。
カプセルを切るとき、スクリューの尖った先で傷をつけながら切るというやり方はあまりスマートではありません。またソムリエナイフ以外の刃物を使うというのは危険ですから避けたほうがよいでしょう。今ではカプセルの上部のみをぐるりと切り取るための専用カッターも市販されていますから、常備しておくと便利です。
ソムリエナイフを使ったことのない方は、スクリューを差し込んで回していくとコルクが自然に持ち上がってくるタイプの「ワインオープナー」が使いやすいでしょう。誰にでも失敗がなく簡単に開けることができます。



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では、ソムリエナイフを使った開け方をご説明しましょう!


1.カプセルの上部を切り取る。瓶口がカビなどで汚れていたらふき取る。
2.コルクスクリューの先をまっすぐにコルクに差し込む。ただし突き通さないこと。
3.コルクスクリューが深く入ったところでレバーのへこみをボトルの口の縁に引っ掛けるようにして、取手部分を握りテコの原理でコルクを引き上げる。
4.抜いたコルクに不快な臭いがついていないか確かめる。
5.ボトルの口にコルクの破片やカビなどの付着があったらふき取る。


時としてどんなに注意をしていても、コルクが途中で折れたり、ぼろぼろになってしまうことがあります。ソムリエなら上手に残りのコルクを引き抜くことも可能ですが、ちょっと難しい作業なので、途中で折れてしまったコルクはワインの中に落としてしまってもよいと思います。飲むときにコルクがグラスに入らないようにあらかじめデカンタをしてしまえばよいでしょう。



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スパークリングワイン(シャンパーニュなど)は気をつけて栓を抜かないと、コルクが飛び出し、周りのものにぶつかったり怪我をしたりすることがあります。シャンパンコルクの裏側にはおよそ31.7キロの圧力が隠されています。針金が外されるとコルクはたちまちミサイルのように飛んでいくのです。シャンパンは開ける前に必ず冷やしておくこと。もし冷やされていないとコルクが飛び出す原因になります。また開ける前にボトルを振ってはいけません。ガスによる圧力が強まって危険です。


<シャンパンの開け方>
シャンパンのコルク栓は飛ばないように針金で押さえられています。これを緩めるときはボトルの口をガラス窓やシャンデリアがなく、人のいない方角に向けましょう。 

1.針金をゆるめ、はずしますが、この時、針金を外しただけでコルクが飛んでしまうものあるのでナプキンなどでコルクの頭を抑える。
2.手のひらか、ナプキンでコルクを抑えながら、ボトルを徐々に回してコルクを上に抜いていく(ボトル内の圧力により自然にコルクが持ち上がります)。出来るだけ音を立てないように。ナプキンで押さえていたほうが万一ふきこぼれた場合もテーブルを汚さずにすみます。


コツさえ覚えてしまえばあなたが特に力持ちでなくても、誰にでも簡単にあけることができます。





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