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vol.4 夏を代表する花、ひまわり



みなさま、こんにちは!

今回は夏の花、ひまわりについてお話しさせて頂きます。

ひまわりほど、夏を体現する花はないでしょう。皆がよく知っていて、夏の花の代表と言ってもいいと思います。

最近では、色々な花が季節に関係なく手に入るようになっていますが、ひまわりもその例外ではなく、市場ではほぼ一年中見かけることができるようになっています。もちろん、数が多く出回るようになるのは春の終わりごろからになりますが、市場でひまわりが沢山出るようになると、夏が近づいているのだな、と季節の訪れを感じます。

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ひまわりというと、大きな花を持ち、茎も太く、背が高くそびえたっているものを畑などで見かけますが、切り花として多く出回るものはそんなに大きくはありません。多種にわたる花がありますので、大きな花のものもありますが、よく見るのは手のひらとほぼ同じくらいかそれよりも小さいぐらいの大きさの、かわいらしく咲く種類のものです。咲き方も、八重咲きなど様々なものがあります。

花の色はもちろん黄色いものが多いのですが、黄色にも色んな黄色があって、透き通ったようなレモンイエローのものから、オレンジに近い濃い黄色、赤みがかったものまで様々です。

花が黄色というだけでも、ビタミンカラーで元気が出てくるような色をしていますが、ひまわりには人に活力を与えてくれる力があるような気がします。

ひまわりを漢字で書くと、「向日葵」となります。英語でもSunflower、フランス語でもTournesolといい、太陽を示す語が入っています。これは、太陽の動きに合わせるように花が回るという意味からですが、このように動くのは、基本的に生長を続ける若いひまわりだけで、つぼみが大きくなり、花が咲くころになると生長が止まるため、完全に開いた花はほとんど動くことはありません。




原産は北アメリカですが、現在では世界各地で生産されています。

といいますのは、ひまわりは花だけではなく種が食用として利用されているからです。種を絞ってできるヒマワリ油はみなさまもご存じではないかと思いますが、種それ自体を炒って食べることができるのです。

ヒマワリの種を食べるのは、私もどうしてもリスやハムスターなど小動物の飼料のイメージが強かったのですが、スペインを旅行したとき、スポーツ観戦をしましたところ、スタジアムでひまわりの種が沢山売られていました。ふと周りを見てみると、地元の人々はみんな、ビールを片手にヒマワリの種をぽりぽりとかじっているではないですか。そこで私も好奇心から挑戦してみました。縞模様のついたカラを割るのが少し大変ではありましたが、なるほど、ミックスナッツに入っていそうなナッツ類特有の香ばしい味で、なかなかおいしかったですよ。

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ひまわりの花というと、どうしても忘れられない光景があります。

フランス国内を旅していた時のことです。あれは7月ごろだったと思いますが、バスで田舎道を通りかかりました。それまでも見事な田園風景が続いていたのですが、一瞬にして一面にひまわり畑が広がったのです。右を見ても、左を見ても、一面のひまわり畑。バスの車窓からではありましたが、大変印象に残る風景でした。

日本でも、広大なひまわり畑が見られるところが全国各地にあるようです。千葉県にある成田ゆめ牧場では、夏の間だけ、約5万本のひまわりでつくられるひまわり迷路が人々を楽しませます。皆さんのお住まいのお近くにも、意外なところにひまわり畑があるかもしれませんよ。

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ここで、ひまわりの有名な作品を二つご紹介したいと思います。

ひとつは言わずと知れた、ゴッホのひまわりです。南仏アルルで生活していたころ盛んに描いたといわれるひまわりの絵。ゴッホにとっては明るい南仏の太陽を表し、またユートピアの象徴でもあったといわれています。その通り、ゴッホのひまわりは今も人々の心をあかるく照らしているのです。国内では、東京・損保ジャパン東郷青児美術館に常設展示されています。

もうひとつは、1970年代のイタリア映画、「ひまわり」です。戦争によって引き裂かれた夫婦の悲劇を、哀愁をこめて描かれている作品ですが、ストーリーの中で何度かでてくる、地平線まで続く一面のひまわり畑の映像は、なんとも美しく、物哀しく映るのです。ひまわりの花の印象が、元気いっぱいの活力のあるものだけではなく、様々な表情を見せてくれるものなのだと考えさせられます。

みなさまもぜひ、ひまわりの花を見つめてみてください。新しい魅力に気付くことができるかもしれません。



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