2014-11-16 15:00
食・ヘルス(健康)
レスベラトロールやカロリー制限では力不足?長寿遺伝子サーチュインと加齢ストレス関係が明らかに

慢性炎症と長寿遺伝子サーチュイン(SIRT1)の関係が明らかに
2014年11月12日、東京医科歯科大学の研究グループは、ハーバード大学マサチューセッツ総合病院との共同研究で、老化に伴って起こる病気が発症する原因が、SIRT1の S-ニトロソ化による活性低下によることを発見したと発表した。研究成果は、Science Signalingに、2014年11月11日からオンライン版で公開されています。
老化と高齢に従って増加する疾患の原因
糖尿病やアルツハイマ-型認知症やパーキンソン病といった神経変性疾患、筋肉量の減少(サルコペニア)および老化過程そのものに慢性炎症が関与している。慢性炎症がなぜ病気を引き起こすかあるいは年齢により慢性炎症が起こる仕組みは不明。
今回の研究
研究グループはS-ニトロソ化が老化に伴って起こる生体変化の共通の仕組みであることを明らかにした。研究はモデル動物と培養細胞を用いて、急性炎症や慢性炎症によりSIRT1の働きが弱くなり、炎症や細胞死が起こりやすくなることを観察。
炎症によって増加したSIRT1のS-ニトロソ化を、薬剤あるいは遺伝子操作によって減少させることにより、SRIT1の活性が復活し、炎症を部分的に抑制することを明らかにした。
本研究の意義
SIRT1の活性がS-ニトロソ化によって低下することが老化や老化に伴う病気の原因である可能性を見いだした。SIRT1のS-ニトロソ化は可逆的であることから、レスベラトロールを摂取したり、カロリー制限をしたりするSIRT1量を増やす方法では効果を示すことができないと研究グループは述べている。
SIRT1のS-ニトロソ化を特異的に阻害する方法が、老化に伴う新規治療薬あるいは治療方法となる可能性があり、老化に対しても効果を発揮する可能性があるとのこと。
(画像はプレスリリースより)
【参考】
・東京医科歯科大学 プレスリリース
http://www.tmd.ac.jp/archive-tmdu/kouhou/20141112.pdf
・発表文献
http://stke.sciencemag.org/content/7/351/ra106.abstract
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