2014-10-06 08:00

食・ヘルス(健康)

トランス脂肪酸 日本ではどうなってる?

トランス脂肪酸
(画像はイメージです Cliff

トランス脂肪酸
2014年10月1日、雪印メグミルクはトランス脂肪酸およびその他脂肪成分に関する情報をまとめ、雪印メグミルクの見解を加えた文書を発表しました。

トランス脂肪酸は脂肪酸の一種で、植物油の加工や精製、調理過程において生成します。

トランス脂肪酸は長期間の過剰摂取により、脂質異常症をもたらし、動脈硬化などの虚血性心疾患のリスクを高めるという報告がたくさんあります。

海外での規制
世界保健機関と食糧農業機関は、心臓血管系を健康に保つためには「食事からのトランス脂肪酸の摂取」をきわめて低く抑えることを勧告しています。具体的には最大でも総エネルギー摂取量の1%未満に抑えることを勧めています。

アメリカ、カナダ、デンマークでは食品中に含まれるトランス脂肪酸の摂取量を表示することを法律的に定めています。

オーストラリア、ニュージーランドではトランス脂肪酸の摂取量がもともと低いことから規制措置は行っていません。

日本での取組
消費者庁は2011年2月に「トランス脂肪酸の情報開示に関する指針」を公表しています。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2010年版)」の中で日本においては、トランス脂肪酸の摂取量は少なく、その範囲では疾患のリスクになるかどうかは明確ではないとしています。

その一方、調査の中ではリスクになる量のトランス脂肪酸を摂取している人もいたことから、工業的に生産されるトランス脂肪酸の摂取量は抑えることが必要と述べていす。

食品安全委員会は2006年に実施した調査に基づき、国内に出回っている食品のトランス脂肪酸含有量を公開しています。

トランス脂肪酸を含む食品を取るときにはリノール酸を一緒に
菅野道廣元九州大学教授の研究によると、トランス脂肪酸を含む食品を摂取する際にはリノール酸を摂取すると、トランス脂肪酸の悪影響は減ることを明らかにしています。

ただし、この結果は動物実験、短期試験での検討で、長期間の観察を伴うものではありません。

【参考】
・雪印メグミルク プレスリリース
http://www.meg-snow.com/news/2014/pdf/20141001-920.pdf
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