2014-10-13 08:00
ダイエット・ボディ
日本人では肥満は乳がんのリスク! 欧米人とは違う!?

国立がん研究センター18万人以上のデータから推定
2014年10月7日、国立がん研究センターは肥満と閉経状況別の乳がんの関連性について、日本人を対象とした大規模な前向きコホート研究をあわせたプール解析の結果を発表しました。この研究成果は「Annals of Oncology」に掲載されています。
発表概要
今回の研究の対象は今まで行われた日本の8つのコホート研究をあわせた18万人以上となっています。平均追跡期間は12年で、この間に乳がんを発病したのは1,783人でした。約100人に1人の割合で発病したことになります。
BMI(肥満指数:体重(kg)を身長(m)の2乗で割ったもの)と閉経前乳がんと閉経後乳がんの発生について、BMIが23~25未満の乳がんリスクを1としたときの、各BMIの乳がんリスクを算出しています。(画像はプレスリリースより)
閉経前、閉経後にかかわらずBMIが大きくなると乳がんリスクは高くなりました。
閉経前乳がんでは、BMIが30以上でリスクは2.25倍になることが分かりました。
閉経後乳がんでは、BMIが1上がることにリスクは5%上昇するという関連がありました。
この解析ではBMIが途中で変動している可能性があることから、追跡開始から2年目までに発生した乳がんを除いた解析も行っていますが、結果に変動はありませんでした。
欧米人との違い
欧米人を対象とした同様の研究では閉経前乳がんの場合には、BMIが30を超えると乳がんのリスクが低下するとしたものが大部分です。これに関してはこの研究からは原因を見いだすことはできませんが、がん研究センターは日本人の場合には無排卵やエストロゲンレベルが低下するような極端な過体重が少ないからではないかと推測しています。
また、欧米と日本では乳がんのタイプが違うの可能性があるとも推測しています。
上記の推測に関しては、今後の研究を待たなければ結論的なものは言えません。
痩せすぎはリスクを下げるのか
閉経後乳がんでは痩せすぎの人では乳がんのリスクが減少しています。国立がん研究センターはこの件に関しては以下の用にコメントしています。
痩せに至るような栄養不足は免疫力を弱めて感染症を引き起こしたり、血管壁がもろくなり脳出血を起こしやすくすることも知られています。国立がん研究センターが科学的根拠に基づいて提唱する「日本人のためのがん予防法」では、総合的な健康にも配慮し、中高年女性のBMIの目標値としては21以上25未満を推奨しています。(プレスリリースより)
【参考】
・国立がん研究センター プレスリリース
http://www.ncc.go.jp/jp/information/press_release_20141007.html
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