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2015-12-15 10:00

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カラオケとYUBAメソッドを用いた認知症治療に関する研究成果を発表

株式会社エクシング
株式会社エクシング、ブラザー工業株式会社、三重大学による共同研究
業務用カラオケ事業などを展開する株式会社エクシング(以下、エクシング)は、三重大学教授の弓場徹氏による新発声法「YUBAメソッド」と、カラオケを用いた治療法が認知症症状の安定化に繫がる傾向が見られることを発表した。

「YUBAメソッド」は「発声機能解剖生理学」の研究を基に生まれた新発声法で、発声能力を短期間で効率的に高めることができるというものだ。

「カラオケとYUBAメソッドを用いた医療への応用研究」はエクシングとその親会社であるブラザー工業株式会社(以下、ブラザー工業)、および国立大学法人三重大学(医学部、教育学部)による共同研究で、2011年2月に開始されている。

今回、成果が発表された研究では、軽度から中等度の認知症患者に対し、半年間の歌唱療法を実施したところ、BPSD(行動心理症状)が改善し睡眠時間が長くとれるようになった、実施前と比較して意欲や情動、実行機能に好ましい変化が生じたなどの報告が多数得られたとのことだ。なお、この研究成果は2015年9月に海外の医学系学会雑誌「Dementia and Geriatric Cognitive Disorders-Extra 」に掲載されている。

神経心理学的検査、聞き取り検査などで改善が見られる
臨床試験では、認知症患者10名に対し、YUBAメソッドの発声・歌唱用自習教材(CD)と家庭用カラオケを用いた発声・歌唱練習を週3回、歌唱療法プログラムに基づく療法を週1回実施した。

その後、神経心理学的検査、聞き取り検査、臨床試験前後での機能的MRI検査(fMRI)などを実施し、臨床試験を行わなかった患者10名と結果を比較したところ、臨床試験を行った10名は検査の施行時間、およびBPSD(行動心理症状)の検査結果が改善すると同時に、イライラや妄想の低下が認められた。

さらに、頭部の左舌状回(ぜつじょうかい)および右角回(かくかい)の活性が低下し、より少ない脳内資源で同じ課題の処理が可能になるなど、認知症の改善に繫がる結果が得られた。

エクシングとブラザー工業は、今回の研究で得られた知見を基に、認知症患者に対する新しいカラオケの活用方法の開発をさらに進めていくとのことだ。

(画像はプレスリリースより)


参考
株式会社エクシングプレスリリース
http://www.xing.co.jp/news/archives/5998

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